皇籍を離脱した宮家と皇族の一覧
1947年5月3日、日本国憲法と皇室典範が施行された後、10月13日の「皇籍離脱」の宮内府告示、翌14日の官報告示により天皇家と直宮家(秩父、高松、三笠)を除く 11宮家、51人の皇族が皇籍を離れた。
以下は皇籍離脱した宮家と皇族。
宮家 | 名 | 身位 | 続柄 | 備考 | |
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伏見宮 | 朝子 | 王妃 | 博義王 | 妃 | 宮内府告示 第十七号 |
博明 | 王 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 | ||
光子 | 女王 | 1王女 | 〃 | ||
章子 | 女王 | 3王女 | 〃 | ||
閑院宮 | 春仁 | 王 | 載仁親王 | 2王子 | 宮内府告示 第十五号 |
直子 | 王妃 | 春仁王 | 妃 | 宮内府告示 第十六号 | |
山階宮 | 武彦 | 王 | 菊麿 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 |
梨本宮 | 守正 | 王 | 朝彦親王 | 4王子 | 宮内府告示 第十五号 |
伊都子 | 王妃 | 守正王 | 妃 | 宮内府告示 第十六号 | |
北白川宮 | 房子 | 内親王 王妃 | 成久王 | 妃 | 宮内府告示 第十五号 |
祥子 | 王妃 | 永久王 | 妃 | 宮内府告示 第十七号 | |
道久 | 王 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 | ||
肇子 | 女王 | 1王女 | 〃 | ||
久邇宮 | 俔子 | 王妃 | 邦彦王 | 妃 | 宮内府告示 第十七号 |
朝融 | 王 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 | ||
邦昭 | 王 | 朝融王 | 1王子 | 宮内府告示 第十六号 | |
朝建 | 王 | 2王子 | 〃 | ||
朝宏 | 王 | 3王子 | 〃 | ||
朝子 | 女王 | 2王女 | 〃 | ||
通子 | 女王 | 3王女 | 〃 | ||
英子 | 女王 | 4王女 | 〃 | ||
典子 | 女王 | 5王女 | 〃 | ||
静子 | 王妃 | 多嘉王 | 妃 | 宮内府告示 第十七号 | |
賀陽宮 | 恒憲 | 王 | 邦憲王 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 |
敏子 | 王妃 | 恒憲王 | 妃 | 宮内府告示 第十六号 | |
邦寿 | 王 | 1王子 | 〃 | ||
治憲 | 王 | 2王子 | 〃 | ||
章憲 | 王 | 3王子 | 〃 | ||
文憲 | 王 | 4王子 | 〃 | ||
宗憲 | 王 | 5王子 | 〃 | ||
健憲 | 王 | 6王子 | 〃 | ||
東伏見宮 | 周子 | 親王妃 | 依仁親王 | 妃 | 宮内府告示 第十七号 |
竹田宮 | 恒徳 | 王 | 恒久王 | 1王子 | 宮内府告示 第十五号 |
光子 | 王妃 | 恒徳王 | 妃 | 宮内府告示 第十六号 | |
恒正 | 王 | 1王子 | 〃 | ||
恒治 | 王 | 2王子 | 〃 | ||
素子 | 女王 | 1王女 | 〃 | ||
紀子 | 女王 | 2王女 | 〃 | ||
朝香宮 | 鳩彦 | 王 | 朝彦親王 | 8王子 | 宮内府告示 第十五号 |
孚彦 | 王 | 鳩彦王 | 1王子 | 宮内府告示 第十六号 | |
千賀子 | 王妃 | 孚彦王 | 妃 | 〃 | |
誠彦 | 王 | 1王子 | 〃 | ||
冨久子 | 女王 | 1王女 | 〃 | ||
美仍子 | 女王 | 2王女 | 〃 | ||
東久邇宮 | 稔彦 | 王 | 朝彦親王 | 9王子 | 宮内府告示 第十五号 |
聡子 | 王妃 内親王 | 稔彦王 | 妃 | 宮内府告示 第十六号 | |
盛厚 | 王 | 1王子 | 〃 | ||
成子 | 王妃 内親王 | 盛厚王 | 妃 | 〃 | |
信彦 | 王 | 1王子 | 〃 | ||
文子 | 女王 | 1王女 | 〃 | ||
俊彦 | 王 | 稔彦王 | 4王子 | 〃 |
- 宮内府告示第十五号
- 博明王、光子女王、章子女王、武彦王、恒憲王、朝融王、守正王、鳩彦王、稔彦王、故成久王妃房子内親王、道久王、肇子女王、恒徳王及び春仁王各殿下は、皇室典範第十一條の規定により、昭和二十二年十月十四日皇族の身分を離れられる。
- 昭和二十二年十月十三日
- 皇室典範 第十一條
年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
- 宮内府告示第十六号
- 恒憲王妃敏子、邦壽王、治憲王、章憲王、文憲王、宗憲王、健憲王、邦昭王、朝建王、朝宏王、朝子女王、通子女王、英子女王、典子女王、守正王妃伊都子、孚彦王、孚彦王妃千賀子、誠彦王、冨久子女王、美乃子女王、稔彦王妃聰子内親王、盛厚王、盛厚王妃成子内親王、信彦王、文子女王、俊彦王、恒徳王妃光子、恆正王、恆治王、素子女王、紀子女王及び春仁王妃直子各殿下は、皇室典範第十三條の規定により、昭和二十二年十月十四日皇族の身分を離れられる。
- 昭和二十二年十月十三日
- 皇室典範 第十三條
皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。
- 宮内府告示第十七号
- 故依仁親王妃周子、故博義王妃朝子、故邦彦王妃俔子、故多嘉王妃靜子及び故永久王妃祥子各殿下は、皇室典範第十四條第一項の規定により、昭和二十二年十月十四日皇族の身分を離れられる。
- 昭和二十二年十月十三日
- 皇室典範 第十四條第一項
皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
- 宮内府告示第十五号 博明王等各殿下皇族の身分を離れられる件
- 宮内府告示第十六号 恒憲王妃敏子等各殿下皇族の身分を離れられる件
- 宮内府告示第十七号 故依仁親王妃周子等各殿下皇族の身分を離れられる件
- 皇族身分離脱表
- 皇室典範第13条、第14条第1項に該当する皇族については、当該条項で「皇室会議の議による」ことが規定されていないため、皇室会議で議決の対象となったのは、第11条該当者だけだった。
- 華族は憲法14条第2項によりその身分を失った。(憲法14条 第2項「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」)
- 朝鮮系の皇族は朝鮮併合で大日本帝国の皇族に準じる王公族に封じられたが(前韓國皇帝ヲ册シテ王ト爲シ皇太子及將來ノ世嗣、太皇帝及各其儷匹ノ稱呼ヲ定メ竝ニ禮遇ノ件)、「皇室令及附属法令廃止ノ件」などによりその身位を喪失した。李王垠夫妻は10月18日付で皇籍を離脱している。
財産税法
皇籍離脱に先立つ1946年9月30日、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の方針に基づく「財産税法案」が衆議院に提出され、10月11日に可決、11月12日に公布、20日に施行された。同年3月3日時点の個人財産について課税するという内容で、10万円以下を免税とし90%を上限とする高税率の累進税率方式が採用されていた。申告期日は1947年2月15日で納付期限は申告期日の1か月後とされ、多くの皇族は税金を工面できず物納せざるをえなかった。
その後、各皇族に対して一時金が支払われたが、財産税を十分に補填できる額ではなかった。
宮家 | 財産額 | 税額 | 離脱一時金 | ||||||
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当初額 | 当主・王 | 王 | 親王妃 内親王 | 王妃 | 女王 | 支給額 | |||
210.0 | 144.9 | 150.0 | 105.0 | 74.9 | |||||
秩父宮 | 225.0 | 145.0 | |||||||
高松宮 | 1253.0 | 1002.0 | |||||||
三笠宮 | 113.0 | 63.0 | |||||||
伏見宮 | 792.0 | 609.8 | 315.0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 464.8 |
閑院宮 | 568.1 | 419.5 | 210.0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 105.0 |
山階宮 | 154.3 | 92.3 | 157.5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
北白川宮 | 843.8 | 653.8 | 337.5 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 539.9 |
梨本宮 | 368.6 | 256.5 | 210.0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 105.0 |
久邇宮 | 723.4 | 538.6 | 840.0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 4 | 944.3 |
賀陽宮 | 174.0 | 107.1 | 840.0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 0 | 829.5 |
東伏見宮 | 191.5 | 120.2 | 112.5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 150.0 |
竹田宮 | 622.1 | 465.4 | 525.0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 544.6 |
朝香宮 | 1067.9 | 844.3 | 525.0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 399.7 |
東久邇宮 | 331.0 | 226.4 | 675.0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 | 664.7 |
- 単位:金額は万円。
- 財産額:各宮家による申告額。
- 当初額:「皇室経済会議(1947年10月13日)」を経る前の「参議院 皇室経済法施行法案特別委員会(1947年9月17日)」で公表された額。(皇籍離脱一時金 資料)
- 身位の下の額(見出内)は一人当支給額、その下は人数(マウスカーソルを置くと名前を表示)。軍人であった皇族は支給対象外。
- 支給額:実際に支給された一時金の額。
- 後日、山階宮家にも密かに141万円が支給された。(『山階宮三代』)
- 天皇家は、財産額:37億1562万8195円、税額:33億4268万1290円(主として物納)
那須御用邸に滞在中の昭和天皇一家 (1947年8月30日)